ふっくらとした大福みたいな体型の赤ちゃんや
ムチムチ体型だけど、そこまで大きくない赤ちゃんまで
お子さんによって、それぞれ体の大きさは違いますよね?
そこで心配になるのが
- 「赤ちゃんの時に体格が大きいと、成長したら太ってしまうの?」
- 「乳児期に体重が少ないと、健康に問題があるの?」
などの体型に関しての不安です。
今回は、その不安を解消するために「カウプ指数」を使った赤ちゃんの体型の判断方法や基準値をご紹介します。
「カウプ指数」を使えば、子どもの健康を維持しながら成長を正しく見守ることができますよ。
カウプ指数とは?
カウプ指数とは、乳幼児(生後0日~就学前)の肥満度を測る数値のことです。
身長と体重で肥満度を算出することができます。
カウプ指数=体重(g) ÷ 身長(cm)²×10
もともとカウプ指数よりもなじみがあるBMI(=Bode Mass Index)も
身長と体重から算出した成人の肥満度を表す体格指数なので
カウプ指数は、BMIの乳幼児版と考えるとイメージがわきやすいでしょう。
しかし、BMIとカウプ指数には、対象が乳幼児と成人であること以外にも違う点があります。
それは、年齢によって肥満の基準が変わるという点です。
BMIは、成人であれば年齢にかかわらず、肥満の判断基準が変わりません。
痩せ | 普通 | 肥満 |
18.5未満 | 18.5~25未満 | 25以上 |
BMIにおいては、「22」が適正数値と言われています。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病になりにくい健康的な数値だということです。
一方で、カウプ指数は年齢によって基準値が変わります。
体型 | 乳児(3ヶ月~) | 満1歳 | 満1.6~2歳 | 満3~5歳 |
痩せ | 16未満 | 15.5未満 | 15未満 | 14.5未満 |
普通 | 16~18未満 | 15.5~17.5未満 | 15~17未満 | 14.5~16.5未満 |
肥満 | 18~ | 17.5~ | 17~ | 16.5~ |
割愛していますが、年齢によって、「痩せすぎ」や「太りすぎ」の数値に0.5前後の差があります。
乳幼児健診へ行くと、医療機関が身長と体重を計測し
その数値からカウプ指数を計算して肥満度を教えてくれます。
乳幼児の平均身長と体重
生後 | 身長(cm) | 体重(kg) | ||
男子 | 女子 | 男子 | 女子 | |
3~4ヶ月 | 61.9 | 60.6 | 6.63 | 6.16 |
6~7ヶ月 | 67.9 | 66.9 | 8.01 | 7.52 |
9~10ヶ月 | 71.8 | 70.3 | 8.73 | 8.28 |
1歳 | 74.9 | 73.3 | 9.28 | 8.88 |
1.6歳 | 80.6 | 78.2 | 10.41 | 10.04 |
2歳 | 86.7 | 85.4 | 12.03 | 11.55 |
3歳 | 95.1 | 93.9 | 14.10 | 13.62 |
4歳 | 102.0 | 100.9 | 15.99 | 15.73 |
5歳 | 108.2 | 107.3 | 17.88 | 17.92 |
上の表は、厚生労働省による乳幼児度身体育調査結果を参考にしています。
カウプ指数の数値に男女差はありませんが、身長と体重の数値には男女差があります。
10年ごとに調査を行っているので
来年中には、令和2年(平成32年)分の最新の調査結果が出るでしょう。
カウプ指数が標準じゃなかったら?
もし自分の子どものカウプ指数が「普通」でなかったら、心配になるかもしれません。
ですが、カウプ指数の正常範囲はあくまでも目安として考えてください。
子どもはそれぞれ体重の増え方が異なります。
そのため、3~4ヶ月で「痩せ気味」だった子どもは
1歳になっても「痩せ気味」の子が多いようです。
成長曲線
カウプ指数とは別に、成長曲線というものがあります。
身長と体重の数値を年齢ごとに曲線グラフで記録する方法です。
子どもの発達具合が標準的なのかどうかを一目で確認することができます。
子どもが「痩せ気味」だとしても、記録の曲線が成長曲線のラインに平行だったり
ラインの傾きが急すぎるなどのことがなければ、焦る必要はありません。
しかし、心配なことがあればその都度医療機関に相談するなど
お母さんが一人で悩み事を抱え込まないようにしましょう。
心配するべき問題と改善点
成長曲線からラインが上回ったり、下回る場合は以下のことが考えられます。
- 栄養不足
- 遺伝や体質
- 成長ホルモン分泌不全等のホルモン異常
- 呼吸器疾患、心臓疾患、代謝異常や染色体異常などの基礎疾患の影響
中でも、低身長を心配される方は多いようです。
骨の発達に必要なカルシウムを摂取するなど
栄養バランスを考えた食事を日ごろから心掛けたり
運動をして筋肉量を増やすだけでも成長にいい影響を与えます。
ホルモンに影響がある場合は、必要に応じてホルモン治療を受けることもできるようです。
お持ちの母子手帳の中には、成長曲線を記録するページがあるはずです。
成長曲線をしっかり記録して、成長の異常を早期に発見しましょう。
まとめ
カウプ指数=体重(g)÷身長(cm)²×10
- カウプ指数は乳幼児(生後0日~就学前)の肥満度を測る数値
- 年齢ごとに基準値が変わる
- 「普通」でなくても、食事や運動で改善できることはある
- あくまで目安なので、心配な時はかかりつけ医など医療機関へ相談を
これからは、お母さんがカウプ指数の計算をできるようになるのは必須ですね。
みなさんも、子どもの健康的な成長を見守るためにも
しっかり記録を残していきましょう♪