子どもが生まれると生活ががらっと変わる為、それまで仲が良かった夫婦でも喧嘩が増える傾向にあります。
「子どもの前でつい言い合いしてしまった…」
「怖い思いをさせちゃったけど大丈夫かな」
と反省する日もあるかもしれません。
子育て中はささいな事でイライラしてしまいますが、子どもの前での夫婦喧嘩は絶対やめましょう。
夫婦喧嘩を見て育った子どもは、ショックを受けるだけでなく「脳が委縮する」など様々な悪影響がある事がわかっています。
しかしきちんとフォローしてあげれば、子どもとの信頼関係は修復できます。
今回は
- 夫婦喧嘩が子どもに与える悪影響
- 夫婦喧嘩をしてしまったあとのフォロー
について取り上げます。
目次
夫婦喧嘩が子どもに与える影響とは
約90%の夫婦が夫婦喧嘩を経験した事があるそうです。
他人同士だった2人が一緒に暮らしているわけですから、多少の衝突は仕方ないのかもしれません。
ただし「喧嘩するほど仲が良い」ということわざは、子どもには通用しません。
夫婦喧嘩は子どもに次のような悪影響しかないようです。
精神的ダメージ
子どもにとってお父さんお母さんは無条件に一番大事な存在です。
そんな2人が喧嘩している姿を見て、ショックを受けない子はいません。
喧嘩の内容は理解できない年齢でも、お父さんお母さんの荒い口調や怒っている表情だけで恐怖を感じてしまいます。
大人からすると1度のささいな喧嘩でも
「お父さんお母さんがいなくなったらどうしよう」
「今度はいつ喧嘩が始まるんだろう」
と、常に怯えて生活する事になるほど心にダメージを受け、トラウマになってしまう子もいます。
脳が委縮する
福井大学とハーバード大学の共同研究で
”夫婦喧嘩を見て育った子どもの脳は、激しく傷ついている”
ということが判明しました。
主に「視覚野」という脳の一部が委縮してしまい、目から情報を受け取って記憶する力が落ちるそうです。
また、”暴力を見て育った子”よりも”暴言を聞いて育った子”のほうが、脳の委縮が著しい傾向にある事がわかっています。
もちろん暴力もよくないですが、夫婦の激しい言い争いは精神的ダメージだけでなく脳の成長にも悪影響とは驚きです。
体調不良、不眠
子どもは親の感情の変化や家庭の雰囲気に敏感ですよね。
夫婦喧嘩を目の当たりにしたストレスにも強く反応し、腹痛・下痢・吐き気・頭痛・発熱など体調不良に悩まされる子も。
さらに恐怖や不安から眠れなくなってしまう子も少なくありません。
不眠が続くと成長ホルモンの分泌を妨げ身長が伸びない、代謝が落ちて太りやすくなるなど発育に影響が出ます。
また、免疫力が下がって風邪をひきやすくなったりと、体調不良の悪循環に陥る事も。
このようなストレス性疾患は薬や治療よりも原因を取り除くことが大切です。
しっかりとケアしてあげましょう。
自己肯定感の低下
夫婦喧嘩を目にした子どもは
「もしかして私のせいで喧嘩してる?」
「私がいなくなればパパとママは仲良くしてくれるかな」
「僕なんか生まれてこなければよかった」
と自分を否定する気持ちが大きくなり、自己肯定感が育まれなくなってしまいます。
自己肯定感とは
- ありのままの自分を受け入れる
- 自分には存在する価値がある
といった感覚の事で、親の言動が影響を及ぼすと言われています。
コミュニケーション能力や失敗を恐れないチャレンジ精神など、前向きに生きるために必要な感覚ですので、
普段の言動に加えて、夫婦喧嘩になりそうな時は一度冷静になって子どもの事を考えてあげたいですね。
乱暴になる
”子は親の鏡”と言われるように、親の言動を真似するのが子どもです。
お父さんお母さんがささいな事で喧嘩していると
「いやな事があったら怒ればいいんだ」
「気に入らなかったら暴れればいいんだ」
という感覚を子どもに植え付けてしまいます。
たとえしつけに気を付けていても、夫婦喧嘩を目撃した影響で言葉遣いが悪くなったり、暴力的になってしまう事があります。
いつもと違う様子が見られたら、子どもを叱る前にお父さんお母さんの言動を振り返ってみるのもいいと思います。
非行に走る事も
「家に帰りたくない」と、街を彷徨う少年少女をテレビで見たりしますよね。
そんな子ども達の中には、「夫婦喧嘩が絶えないから家に居ずらい」という理由を挙げる子も多いです。
さらに今はSNSなどで他人とも簡単に繋がれる時代。
軽い気持ちで家出を繰り返すうちに、事故や事件に巻き込まれるケースがあとを絶ちません。
さらに最悪の場合、非行に走り犯罪に手を染めてしまう事もあります。
大げさに思うかもしれませんが、ささいな夫婦の言い合いでも子どもからすればショックが大きいもの。
「安心して帰れる居場所がある」というのは、当たり前なようで子どもにとっては大事なことですね。
夫婦喧嘩を見られた…子どもへのフォローはどうする?
子どもの目は避けたつもりでも、ふと目撃していたり良くない空気を感じ取っているものです。
そんな時はきちんとフォローしてあげれば、子どものショックを和らげる事ができます。
まず子どもに謝る
パートナーにはもちろん、怖く悲しい思いをさせた子どもにもまずはしっかりと謝りましょう。
その上で様々なフォローをしていくのが基本です。
”悪い事をしたら謝る”という手本にもなりますね。
子どものせいではないことを伝える
原因がなんであれ、”あなたのせいではない”とはっきり伝えなければいけません。
喧嘩の内容がわからない小さい子ほど「自分のせいじゃないか」と不安に思ってしまいます。
「大好きだよ」と、子どもの存在を丸ごと抱きしめてあげてください。
子どもは言葉にしてもらえると安心するものです。
子どもの話を聞き、受け止める
謝って抱きしめたあとに、子どもから何か話してくれるかもしれません。
そんな時は「うんうん、そうだね」「怖かったよね」と、全部受け止めてあげましょう。
まだうまく言葉にできない子は泣いてしまうかもしれませんが、落ち着くまで気持ちを代弁してあげます。
気持ちに寄り添ってあげる事で
「本当に大事にされてるんだ」
「自分はいてもいいんだ」
という安心感が得られます。
喧嘩の原因と解決した事を説明する
子どもも家族の一員ですから、家族の事を知る権利があります。
- なぜ喧嘩になったのか
- どうやって解決したのか
- 仲直りはできたのか
を伝えてあげると安心材料になります。
言葉を理解できる小学生以上はもちろん、小さい子にもわかるように説明してあげる事が大事です。
説明する事で親も客観的になれるので、喧嘩の原因と今後の予防策を整理できます。
子どもにとっても、お友達と喧嘩した時やトラブルになった時の教訓になるので
「説明してもどうせわからない」
「ささいな事なので教えるのは恥ずかしい」
などと思わずちゃんと教えてあげたいですね。
相手の事を悪く言わない
子どもに事情を説明する中で、つい相手のせいにしたり言い訳したくなりますが、ぐっと堪えましょう。
お母さんが「お父さんてば本当に○○なんだから!」と言えば、子どもにもそういったイメージが植え付けられてしまいます。
子どもの中で、親のどちらかが悪者になってしまうのは悲しい事ですよね。
普段から無意識に、子どもの前でパートナーの悪口を言っていないかも気を付けたいです。
仲直りした姿を見せる
最後に大事なのは、子どもに仲直りした姿を見せる事です。
やはり子どもが一番気にするのは、お父さんお母さんが本当に仲直りしたのか、という所。
年頃の子は恥ずかしがるかもしれませんが、大げさくらいがいいそうですよ。
家族団らんの時間を作ったり、みんなでおでかけするのもいいですね。
思いっきり仲良しアピールして、安心させてあげましょう。
夫婦喧嘩を減らすコツは?
誰だって夫婦仲良く平和に過ごしたいのが本音だと思います。
子どもがいればなおさらですよね。
そこで最後に、夫婦喧嘩を減らすために出来る事をご紹介します。
- 相手を変えようとせず自分を変える
- ルールを明確化しておく
- ストレスを溜めない
- 頭にきても6秒我慢
- 普段からコミュニケーションを大事にする
ついカチンときて”売り言葉に買い言葉”になってしまう人におすすめなのが「頭にきても6秒我慢する」事。
怒りのピークは6秒であり、その6秒間をやり過ごせば冷静さを取り戻すと言われています。
”アンガーマネジメント”という感情をコントロールする方法で、6秒間ただ我慢するのでなく
- 目に入った物の名前を言っていく
- 頭の中で簡単な計算をする
など、怒りとは別の事を考えるのがポイントです。
始めは難しいですが、夫婦間だけでなく育児や仕事など、色んな場面で役立つので試してみて下さいね。
まとめ
夫婦喧嘩が子どもに与える悪影響は、このようにありました。
- 精神的ダメージ
- 脳が萎縮する
- 体調不良、不眠
- 自己肯定感の低下
- 乱暴になる
- 非行に走る事も
また、夫婦喧嘩をしてしまった時の子どもへのフォローの仕方はこちらです。
- まず謝る
- 子どものせいではない事を伝える
- 子どもの話を聞き、受け止める
- 喧嘩の原因と解決した事を説明する
- 相手の事を悪く言わない
- 仲直りした姿を見せる
併せて
- 夫婦喧嘩を減らす為に普段から出来る事がある
- 怒りを6秒間やり過ごす”アンガーマネジメント”について
ご紹介しました。
子どもにとって悪影響ばかりの夫婦喧嘩。
やはり子どもに見せるものではありませんし、ピリピリした家庭で育って欲しくないですよね。
一緒に生活する中で話し合いが必要な場面は多々ありますが、お互い思いやりを持って冷静に対応していきたいですね。
コメントを残す