子どもの成長に、親は良くも悪くも大きく影響を及ぼします。
その中で、特に悪影響を及ぼす親の事を毒親といいます。
ここでは、毒親の2つのタイプ
- 否定型
- 放置型
について考えていきましょう。
否定型の毒親
否定型の毒親は子どもが失敗した時に頭ごなしに
- 「怒鳴りつける」
- 「暴言を吐く」
- 「叩く」
といった行動を取ってしまいます。
子どもが失敗したから、言うことを聞かなかったからという理由でヒステリックになり、怒りをぶつけます。
また親自身の仕事の疲れやストレスを子どもに吐き出します。
しかし感情的になった状態で一度発してしまった言葉は、もう取り戻す事はできません。
その言動は子どもの成長に大きな影響を与えてしまいます。
子どもは生活の中で一番大切な人である親に、自分の気持ちを理解して欲しいと思っています。
親も、子どもの気持ちを理解する必要があります。
それで、子どもが気持ちを言い表した時に、親がいつも否定するようなことを言うと、いずれは親に気持ちを打ち明けなくなってしまいます。
そして、子どもの自尊心が欠けてしまうのです。
自尊心とは自らの価値を認める自己評価であり、自分を優れた存在・価値ある存在・意義ある存在であると位置づける気持ちのことである。
と辞書に書かれています。
簡単に言えば「自分自身を大切にする気持ち」のことです。
自尊心の欠如によって現れる特徴
①自分のことを好きになれない
すべての人に長所と短所がありますが、自尊心が欠けると短所にばかり目が向いてしまいます。
そのため、何か新しいことにチャレンジするよりも、誰でもできる無難な事の方が自分に合っていると思ってしまいます。
子どもの可能性を、子ども自身が握り潰してしまう危険性もあるのです。
②自分と周りの人を比べ、嫉妬しやすい
自尊心が欠けている人の特徴として、嫉妬心が強いことが挙げられます。
「自分は周りから認められていない」という気持ちが強いので、周りに評価されている人がいると嫉妬してしまいます。
その嫉妬が妬みに発展してしまうと、周りと良い人間関係を築くのが困難になってしまいます。
そうなってしまったら、とても悲しいですよね。
③周りの人の意見に流されやすい
自信がないため、自分の意見を言う事も、通すことも難しくなります。
友達や親に「こっちがいいね!」と言われると、簡単に意見を変えてしまいます。
そもそも、最初から自分の主張は通らないんだ・・・と諦める、そんな子どもになってしまいます。
放置型の毒親
放置型の毒親は、愛情表現をほとんどしません。
行き過ぎると、育児放棄となり、ネグレストに当たります。
殆どの親は愛する我が子をそのような目に遭わせません。
たとえそのつもりは無くても、放置ともいえる行為を取っていることがあり得るでしょうか…
「上手な子育てとは、子どもの思いどおりにさせる事だ」と考えている親は少なくありません。
例えば、おもちゃを買って欲しいとおもちゃ売り場で泣きわめく子どもを放置したり、友達のおもちゃを自分の子どもが奪っても何も注意しない・・・そんな場面を目撃したことはありませんか?
もちろん子どもの意見に耳を傾け、気持ちを受け止めることは大切です。
だからといってすべて子どもの思いどおりにさせるのは賢い方法とは言えないでしょう。
悪いことをしたら正す必要があります。
よくない態度を示した時もそうです。
悪い事をしても、親がそれを放置した場合、子どもは
「ああ、別にそれをやっても良いんだ」
と学習してしまい、その態度が心に根付いてしまう危険性があります。
放置された子どもの特徴
①愛情不足に陥る
親に放置されると「親は自分のことなんてどうでもいいんだ」と感じてしまいます。
そうすると
「なるべく期待に応えて見捨てられないように頑張らないと」
「もし断ったりしたら見捨てられるからできると言わないとダメだ」
という思考になり、常にストレスを抱えてしまいます。
②思い通りにならない状況に対する耐性がつかない
もしも、子どもが悪い事をして、正さなければならない時、全く正すことをしなければ、将来は確実に不幸になります。
現実は思い通りにどおりにならないことが沢山あります。
大人になれば、いずれその現実に向き合うことなるのに、全て思い通りになる環境を子どもに与えてしまうのは、子どもにとって不幸以外の何物でもありません。
「あなた方は、子どもを不幸にするいちばん確実な方法は何であるかご存じだろうか。
それは、何でも手に入れるという習慣を子どもにつけることだ」
引用:ルソー「エミール」より
人生にはがっかりすることが付きものです。
放置するのではなく、大人になったら直面するいろいろな状況に備える方が賢明です。
③感情表現が苦手
表現力は自分が思っていることや感じたことを伝えるために必要不可欠な能力です。
子どもは親や友達などと話したり、触れ合うことによってコミュニケーションを取ることで社会性や協調性を身につけます。
その教育を怠ると、相手の気持ちを理解できず、思いやりに欠けた子へ育ってしまうということにもなりかねません。
まとめ
- 否定型は、子どもの失敗を頭ごなしに否定するタイプ
- この場合、子どもは自尊心の欠如にも繋がる
- 放置型は、愛情表現が欠け、ひどい場合はネグレストになるタイプ
- この場合、子どもは愛情不足やストレス耐性、感情表現が苦手になる危険がある
【否定型】【放置型】の親のもとで育つ子どもに与える影響を考えてきました。
子育てには絶妙なバランスが必要です。
子どもが「あれがしたい」「これがしたい」ということを否定してしまうと、可能性を狭めてしまいます。
だからといって放置してのびのび育てるのというのも良い方法とは言えません。
ある程度のルールがあることで、大人になったときに社会に順応したり貢献することのできる子どもへと成長することができるからです。
子育ては理屈では言い切れない部分もありますが、上記の事を意識しているだけで子どもへの接し方は変わってきます。
ぜひ毒親を反面教師にしていただいて、子育てを頑張っていきましょう。
コメントを残す