お母さんである皆さんは、普段どのように子育てをされていますか?
子どもと話すときやしつけの際に、何か気を付けていることはありますか?
実は、中世のヨーロッパでは
子どもは大人と同じように働いていたこと、ご存知でしたか?
それも子どもの意志ではなく、大人が子どもを「子ども」として認識する文化がなかったのです。
しかし
「子どもを子ども扱いすることが正解なのか」
というと、そうでもありません。
今回は、歴史に触れながら子どものあり方と関わり方について話していきます。
子どもの概念
子どもは大人と同じ「人間」である
17~18世紀のヨーロッパでは、「子ども」という概念がありませんでした。
学校などの教育機関は主流ではなく、身の回りのことが自分でできるようになる7歳頃には
「労働力」として大人と同じように働いていました。
いわば、子どもは体格が小さいだけの大人=「小さな大人」として扱われていたのです。
そのため、狩りや賭博などのような粗暴な大人の遊びも覚えさせられていました。
鬼ごっこやコマの遊びもありましたが、主ではなかったようです。
大人も、自身が子どもの頃に同じことをしてきたため
子どもが働くことや遊ぶことに対して、違和感を持たなかったのでしょう。
「子ども」への認識の変化
近代になると、フランスの思想家であるルソーやアリエスが
「子どもは大人とは異なった世界を持っている」
と子どもの概念を説きました。
「子ども」の存在が認められ
「子どもの成長を手助けをしていくことが必要だ」と考えられるようになってからは
子どもの生活の中心は、仕事から教育を受けることに変化しました。
また、子ども用の洋服にもワンピースなどのバリエーションが増え
子どもが子どもらしく育つことが尊重される文化が発展していきました。
子どもとの接し方
守り育てられる存在になった子どもへは、どのように接するのが良いのでしょうか?
子どもには子ども扱いをすることが正解なのでしょうか?
子どもは日々成長している
一般的に、子どもは2~3歳頃に段々と自我を身に着けていきます。
自分の意志で「イヤ!」と言えるようになり、お母さんたちにとっては手間がかかる時期ともいえます。
「何をするにも『イヤ!』の一点張りで困っちゃう…」
という悩みやストレスを抱え、ついには怒り爆発ということもあるかと思いますが
「イヤ!」は子どもの意志だと思ってあげましょう。
それまでは泣く事でしか気持ちを伝えることができなかった子どもにとって
自分の言葉で意思を伝えることができるようになったことが嬉しいのです。
また、4~5歳頃になると、お友だちとの関わりの中で相手の気持ちがわかるようになります。
そして、悪いことをしたら「ごめんなさい」と言って反省することができ
何か嬉しいことをされたときには、「ありがとう」と笑顔で言うことができるようになっていきます。
言葉と表情を使って、自分の感情を伝えることができるようになっていきます。
つまり、見た目は子どもでも大人と同じようにコミュニケーションをとることができるのです。
お母さんが疲れていたら「どうしたの?」と、心配してくれますよね?
能力の高さは違えど、子どもは日々の生活の中で、着実に大人と同じ能力を身に着けています。
その点では、子どもも大人と同じ「小さな大人」と認めてあげましょう。
子どもは「小さな大人」である
しかし、子どもの意志に対して全て拒否せずに受け入れることが
「認める」という意味ではありません。
子供と向き合いながら「良いこと/悪いこと」を教えることが大切です。
ある現役保育士の園児との関わり方の例を挙げます。
園児を並ばせようとすると園児たちは並ぶことはできるが
大体は前後の子ども同士でふざけ合ってなかなかきれいに並んでくれません。
整列してもらいたいから、前へならえをするように
園児に「トントン、まーえ」と声をかけるけど
ただ腕を伸ばすだけでなかなか大人しくならない。
そんな時は叱らずに
「わかるわかる。やりたくないよね、でもちゃんとやってくれないと先生困っちゃうなあ」
って言うとわかってくれるんです。
この保育士曰く、園児の気持ちを一度理解して園児の懐に入るのがポイントだそうです。
園児は先生のことが大好きなので
「大好きな先生が困るのなら先生のためにちゃんと並ぼう」
と考える園児の心理をついた作戦です。
何度も言いますが、子どもは相手の気持ちがわかります。
自我も芽生えています。
お母さんは自分の子どもと毎日一緒にいるので、つい叱ってしまったり
どうしたいのかわからないと悩んでしまうことがことがあると思います。
そんな時は、すぐに「やめなさい」と叱るのではなく
子どもの気持ちになって「やってほしいこと」を伝えてみれば、コミュニケーションは上手くいくはずです。
まとめ
- 17~18世紀のヨーロッパでは、「子ども」という概念がなかった
- 子どもは体格が小さいだけの大人=「小さな大人」として扱われた
- 近代で、子どもが子どもらしく育つことが尊重される文化が発展した
- 2~3歳で「イヤ!」と言うようになり、子どもの意志の表れ
- 4~5歳で相手の気持ちがわかるようになる
- 子どもは日々成長して大人と同じ能力を身に付けつつあるので、「小さな大人」と認めてあげる
- 子どもの気持ちを理解して伝えれば、コミュニケーションは上手くいく
子育ての仕方にどれが正しいかなんて、無いと思います。
ですが、たまに童心を思い出しながら無邪気な会話をしてみると
より子どもとの距離が縮まるかもしれませんね。
ぜひ一度やってみてください。