「原始反射」
この言葉を聞いたことはありますか?
子育てをしていると聞くことがありますよね。
「モロー反射や把握反射のことだよね?」
とピンとくるママ・パパが多いと思います。
実は、原始反射にはモロー反射や把握反射以外にもたくさんあります。
「非対称性緊張性頚(けい)反射」や「ギャラン反射」などあまり聞き覚えのないものもあります。
「こんな原始反射もあるんだ」
とあまり聞き覚えのない原始反射を知っておくと、赤ちゃんの突然の動きに不安な思いをすることが少なくなります。
この記事では
- 原始反射って何?
- よく聞く原始反射の種類、反応や時期
- あまり聞かない原始反射の種類、反応や時期
- 原始反射が見られない、無くならない場合は?
について紹介します。
目次
原始反射って何?
- 赤ちゃんが生まれてから、外の環境で適応していくために必要
- 生命維持のためだけではなく、筋力や知的能力の発達のためにも起こる
- 原始反射は「胎児期」、出生してからの「新生児期」「乳幼児期」に見られる反応
- 胎児期では、妊娠5か月頃から原始反射がある
- 成長するにつれて多くの原始反射はなくなっていく
原始反射は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時から、外の環境で適応していくために練習しています。
よく聞く原始反射の種類、反応や時期
よく聞く原始反射の種類
- モロー反射
- 手掌把握反射
- 吸啜(きゅうてつ)反射
- 口唇探索反射
- 歩行反射
次は、そのモロー反射などのよく聞く原始反射について説明しますね。
よく聞く原始反射の反応や時期
- モロー反射
赤ちゃんの体を持ち上げて、急に落とすような動きをすると、赤ちゃんの体が伸び、腕を上げる動作。
ママの体から落ちそうな時に、つかまろうとするための動きだと考えられています。
寝ている時にも見られることがあります。
出生から見られ、生後4か月頃に無くなります。
- 手掌把握反射
赤ちゃん手のひらに何かが触れることによって、赤ちゃんがギュッと握る動作。
足の場合は「足底把握反射」と言います。
よく赤ちゃんの手のひらに小指を乗せると握り返しますよね。
それはこの原始反射による動作なのです。
出生から見られ、生後4か月頃に無くなります。
- 吸啜(きゅうてつ)反射
口に何か物が触れると、吸うという動作。
母乳を吸うための動作だと言われています。
出生から見られ、生後4~7か月頃に無くなります。
- 口唇探索反射
口の近くをなでると、それを探そうと触れた方向に頭を向ける動作。
母乳を吸うために、乳首を探す時にする動作です。
出生から見られ、生後4か月頃に無くなります。
- 歩行反射
赤ちゃんの足が床に触れると歩行をするような動作。
出生から見られ、生後2か月頃に無くなります。
あまり聞かない原始反射の種類、反応や時期
あまり聞かない原始反射の種類
- 非対称性緊張性頚(けい)反射
- 嚥下(えんか)反射
- 押し出し反射
- ギャラン反射
- バビンスキー反射
- パラシュート反射
- ホッピング反射
- ランドウ反射
すべての名前や反応を覚える必要はなく、「こういう反応があるんだ」くらいで大丈夫ですよ。
あまり聞かない原始反射の反応や時期
- 非対称性緊張性頚(けい)反射
仰向けで寝ている赤ちゃんの頭を左右どちらかに向けると、顔を向けた側の手足が伸び、反対側の手足を曲げる動作。
寝返りをするための動作と言われています。
出生から見られ、生後4か月頃に無くなります。
- 嚥下(えんか)反射
口の中に入った液体を飲み込むための動作。
母乳を飲むための動作です。
出生から見られ、生後6か月頃に無くなります。
- 押し出し反射
舌に固形物が触れることによって、その固形物を外に押し出そうする動作。
出生から見られ、生後6か月頃に無くなります。
- ギャラン反射
うつ伏せの状態で空中に浮いた赤ちゃんの背骨の側面を撫でると、赤ちゃんが左右に揺れる動作。
おしりを振っているようにも見えます。
出生から見られ、生後6か月頃に無くなります。
- バビンスキー反射
足の裏を指などでかかとからつま先に向かってこすると、親指が足の甲の方へ曲がり、他の指は外側に曲がる動作。
出生から見られ、1~2歳頃に無くなります。
- パラシュート反射
赤ちゃんを直立に支えている時に急に前に倒したり、座っている時に前や後ろに倒すと、腕を前に伸ばして体を支えようとする動作。
生後8か月頃から見られ、一生無くなりません。
- ホッピング反射
体が立っている状態で前後左右に倒すと、足で体重を支えようとする動作。
生後9か月頃から見られ、一生消無くなりません。
- ランドウ反射
赤ちゃんをうつ伏せの状態で水平にした時に、頭を上げて水平を保とうとする動作。
生後3か月頃から見られ、2歳頃に無くなります。
よく考えると私たち大人も、とっさに出る反応ですよね。
原始反射が見られない、無くならない場合は?
原始反射をする月齢や年齢になったら、原始反射をするかどうか確かめてみると良いですよ。
確かめてみたけど原始反射が見られない場合、原始反射が無くなる時期なのに無くならない時って、すごく心配しますよね?
そのような時は、少し様子を見たり、心配な場合は検診の時やかかりつけの病院に相談をしてみましょう。
まとめ
- 原始反射とは、生まれてから外の環境で生きていくためや、成長していくために必要な反応
- 原始反射は、「胎児期」「新生児期」「乳幼児期」に見られる
- 成長するにつれて多くの原始反射は無くなっていく
- よく聞く原始反射には、「モロー反射」「手掌把握反射」「吸啜(きゅうてつ)反射」などがある
- あまり聞かない原始反射には、「非対称性緊張性頚(けい)反射」や「ギャラン反射」などがある
- 原始反射をする月齢・年齢になったら、原始反射をするかどうか反応を確かめてみると良い
- 原始反射が見られない場合や無くならない場合には、少し様子をみたり、かかりつけの病院に相談する
原始反射の多くは成長するにつれて無くなっていきます。
これらは、新生児期や乳幼児期のうちにしか見られません。
貴重な原始反射の期間を大切に過ごしましょう。